核家族化・少子化が進み、昨今ではお弔いの形が少々変わって来ています。
先祖代々のお墓をお守りすることができず、やむなく更地にに戻したり
直ぐに納骨されないケース、ご夫婦だけの永代供養墓を望む方が増えるなど
これまでとは弔いの価値観も変化してきているようです。
これからの事例は、ご主人を突然亡くされた奥様から(WEBからは娘さんを通して)の依頼です。
数年前に突然亡くなられたご主人。お別れを言うこともできなかったそうです。
奥様はお骨を手元に置いて、毎日ご主人とお話されているとか。
ただ、お骨は北側の部屋に安置してあり、寒がりだったご主人は冬場は寒がっているだろうと
気にかけておられたそうです。
大柄で丸いお腹をされていたご主人を、そのような丸い温もりのある箱のようなものに入れてあげたいと
考えておられました。できればリビングに置いても違和感がないもの。
ガラスや陶器の入れ物も考えられたようですが
温もりという点で木製がよいという結論にご家族で決められたそうです。
いろんなところを探されたようですが、思うような形が無かったのでお問合せをいただいたそうです。
イメージ図をいただいて図面化し、材料見本も3種ほどご用意しご提案させていただきました。
蝶番などの金具は、なるべく見えないようにとのご要望でしたので、特殊な蝶番を採用しました。
丸い厨子:材料はサクラ、オイルフィニッシュ サイズ W247×D247×H246(mm)
観音開きの扉、内側は総桐・八角柱の空間
上から見ると・・・
まん丸なお腹をイメージ、いつも撫でてあげていただけますように・・・
納品させていただいた時の奥様の「ひとつ願いが叶いました」とのお言葉が印象的でした。
ご自宅の近くに桜並木のある堤がありました。
在りし日のご主人とサクラの季節には散策されたんだろうなあと思いながら
サクラを選択されて理由が少しわかった気がしました。
後日、娘さんからメールでメッセージをいただきました。
「母も毎日さすっているのと喜んでいます」
このメッセージにお役に立てたんだと嬉しくなりました。
木仙人のホームページ http://boku1000nin.com