◎東京都 あるお寺のご依頼
ご高齢者が増えてきた檀家の方々、これまでの様にお参りに来ていただけなくなってきていることに心を痛めておられました。
畳座では膝が辛く足が遠のいているようで、椅子座の環境を作りたいとのご依頼です。
檀家の方々に少しでも心地の良い空間をご提供しお参りいただきたいとの願いです。
4つの改善のご依頼を承りました。。
①接待机を改造する(畳座から椅子座へ)
②住職と副住職の読経のスタイルも畳座から椅子座へ・・・曲録の製作
③読経を椅子座にするため鐘や木魚の高さを変える台を製作
④本堂の入口に手摺や靴の履き替え用の椅子を設置
①接待机を改造する(畳座から椅子座へ)
畳座用の接待机がたくさんあるので椅子座用へ改造
畳座用の脚はそのまま残し、桟の外側に収納する形で椅子座用の脚を追加しました。
センターのクロスが素敵です。評判は上々とのことです。
②住職と副住職の読経のスタイルも畳座から椅子座へ・・・曲録の製作
檀家の皆様が椅子座になると、ご住職の読経の際のスタイルも畳座から椅子座に変える必要があります。
法要の時に僧が座る椅子のことを曲録と言います。
ご住職もお歳を召されますし、お説法の時に向きを変えやすいように回転座を採用しました。
長く座っていてもお尻が痛くならないようにクッション材を三層にしました。
椅子生地は何種類か見本画像をご用意しその中から選んでいただきました。
色は違いますが柄は同じものです。
檀家の皆様の座位置との関係もあり、座高さも少し高めに設定しています。
③読経を椅子座にするため鐘や木魚の高さを変える台を製作
曲録を使うと鐘や木魚の高さを変える必要があります。それぞれに専用の台を作りました。
④本堂の入口に手摺や靴の履き替え用の椅子を設置
どの様なカタチが良いか?ご一緒に現場で考えました。
その結果、上がり口と屋根の柱の間の空間に手を掛けることができる椅子と傘・杖立てを一緒にした便利椅子を設置することになりました。
日光や雨風にも当たるので、ケヤキ材を使い外装用の塗料を塗り重ね仕上げました。
傘・杖立ては分かり易い様に彫刻した後、合成漆を盛りました。
上り口の両脇に設置しました。
石の接地面は凸凹。ゴムパッド付きアジャスターによりガタツキを完全になくします。
「心地の良い空間」づくり、お役に立てたかな・・・